第二話

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  でもまあこれから三年間をともに過ごす仲間である。 重要といったら重要だ。 リオンも、人込みが出来上がった掲示板を、必死に背伸びをして見ようとしているシャリアに倣って見た。 「一のA…………ないな」 次は一のB。 隣では背伸びを諦めたシャリアが自分の言葉に耳を傾けている。 一のBにもない。 「一のC…………お。シャリア、あったぞ」 「マジ?」 一のCと書かれた文字の下に、シャリア・クレノウンの名があった。 続きを見ていくと、 「お。俺もか」 下から二番目に、リオン・レインドの名がしっかりと刻まれていた。 「やあ珍しい。落ちこぼれが二人とも同じクラスになってしまうとは」 「同感」 リオンはシャリアの言葉に頷きながら、あたりを見渡した。 知ってるやつはいないかな~と。 だけど知り合いなんて数える程で、友達といえばさらに小数だ。 淋しいけど、知り合いは見当たらなかった。
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