9215人が本棚に入れています
本棚に追加
二人はこれからの生活の基盤になるであろう一のCの教室に向かっていた。
その廊下では朱のブレザーの三年生、緑のブレザーの二年生、紺のブレザーの一年生が、それぞれ友達と歩いている。
「なーんかさぁ」
シャリアはそれを見て呟いた。
「アレだよね。よくよく人生考えるとさ。こんなところ何の意味があるんだろうって思えてくるよ」
何を生意気なことを。
だが共感出来るところもあるリオンは頷いた。
「まーなぁ。ここでいくらがんばったって、結局は戦場に行かされるんだからな。意味ないっちゃあ、意味ないな」
廊下で対峙し合っている生徒らがいた。
紺色、一年生だ。
「そうさぁ。生き残れるのも小数。才能ある奴は、どんどん戦場に向かってく。……ならさ」
対峙している二人の一年生の内、一人が呪文を唱えて、指を相手に向けた。
指からは微量の火の球が飛び出し、相手に引火する。
相手は叫びながら、水の球でそれを消し去った。
「ずっと落ちこぼれでいいと。そうは思わないかな?」
最初のコメントを投稿しよう!