第十三話

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  「んなっ!」 アルノーのかつてない大声を耳に受け、リオンもアスカも上空に目をやる。 そこにはいつしか――とはいってもつい半日ほどまえのことだが――見た、紅蓮の炎が舞っていた。 アルノーに反して二人は来るな来るなと念じるが、彼女は寸分違わず四人のもとに舞い降りた。 そして開口一番、 「闇のゼロ!」 と叫ぶ。 リオンは眉を寄せながら答えた。 「なに? それと、俺はリオンだ。闇のゼロって呼ぶな」 「ああ、そう。そんなことはどーでもいいの。それより、大変よ」 かなり焦った様子である。 流石に気になってきた。 「どうした?」 「あーうー、いいわ。移動中に話す! ついてきなさい!」 ぐいぐいリオンを引っ張っていこうとする。 止めたのは、アスカだった。 「何するんですか! 私たちはこれから魔法技術交流戦を……」 「もう終わるわよ! 例年より大分早く脱落しまくったから。それに、それどころじゃないの」
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