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「んなっ!」
アルノーのかつてない大声を耳に受け、リオンもアスカも上空に目をやる。
そこにはいつしか――とはいってもつい半日ほどまえのことだが――見た、紅蓮の炎が舞っていた。
アルノーに反して二人は来るな来るなと念じるが、彼女は寸分違わず四人のもとに舞い降りた。
そして開口一番、
「闇のゼロ!」
と叫ぶ。
リオンは眉を寄せながら答えた。
「なに? それと、俺はリオンだ。闇のゼロって呼ぶな」
「ああ、そう。そんなことはどーでもいいの。それより、大変よ」
かなり焦った様子である。
流石に気になってきた。
「どうした?」
「あーうー、いいわ。移動中に話す! ついてきなさい!」
ぐいぐいリオンを引っ張っていこうとする。
止めたのは、アスカだった。
「何するんですか! 私たちはこれから魔法技術交流戦を……」
「もう終わるわよ! 例年より大分早く脱落しまくったから。それに、それどころじゃないの」
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