第十三話

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  「だからそれがなんなんだよ! 理由を言わなくちゃ、俺は動かないからな」 リオンもこうなれば意地だった。 そもそも、こいつが味方であるという確証はまったくない。 変なところに連れ込んで暗殺、ということも考えられなくはない。 「……エーシェ様が」 「エーシェ?」 一度、アクトゥスは息を吸い込む。 それから意を決したように、一気にまくし立てた。 「ゼロの魔術師の三人組が今、アークスに入ってきたという連絡を受けたわ。そして、エーシェ様が『騎士団』とともに、撃墜に向かったの」 リオンはごくりと息を飲む。 こいつの話ぶり、慌てぶりから判断するに、 「エーシェは? 勝ったんだよな?」 まさか? ……まさか。 アクトゥスは一度俯く。 顔をあげたときの表情は、逆上したそれだった。 「だから、早くしろっつってんでしょーが! こんなチンケな大会より、エーシェ様の方が百倍大事でしょ!」 チンケ…… アスカはア然とする。 だが、リオンは頷いた。 「エーシェはどうなった? 早く、助けに!」 「戦いは終わったわ。エーシェ様は今、病院。直ぐさま向かうわよ」
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