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リオン、アクトゥスはともかく、アスカも状況の断片は理解した。
彼女も、頷く。
「よくわからないけど、ピンチなんだな? だったら遠慮することはない。今すぐ行くんだ」
「ああ。こっちは任せた」
ピッ、とアスカは親指を突き上げた。
そして二人のゼロは、飛び立とうとする。
互いの恩師のために。
だが、
「アキ様」
目の前を漆黒の、闇の壁が二人を遮った。
振り返ると、アルノーが指をアクトゥスに突き付けている。
「アルノー?」
「どうしても行くんですか」
アルノーは動かない。
ただ、視線をアクトゥスに固定し、話す。
「ええ」とアクトゥスは断言。
「邪魔をするの?」
「……」
アクトゥスが言明すると、スッ、と闇の壁は消えた。
「ありがと」
アクトゥスは無邪気に微笑む。
リオンは、アルノーの手が微かに震えているのを見た。
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