第十六話

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  「みぃーっけ」 顔全体を喜色に彩ったレノの微笑みを向けられ、アクトゥスは苦笑いを浮かべるしかなかった。 ちょこちょこ攻撃していくうちに、でかいのをお見舞いしてやる腹積もりだったが、その前に先手を打たれた。 右足が、凍結を受けた。 「あたしはそんざいのとーけつをつかさどるんだよ。おにごっこはおしまいだね」 アクトゥスが動けないのを見て取るや、レノは余裕の足取りで近づいてきた。 (最後、か) アクトゥスは嘆息し、 「だあぁぁあぁぁああぁッ!」 吠えた。 その咆哮に追随するかのように、レノの足元が赤く染まる。そして、彼女の体を業火が包み込んだ。 事前に仕込んで置いた罠。完全に、捉えた。直撃である。しかし、アクトゥスは笑うこともできなかった。 「負けました、っと」 「あつっ……」 炎の中からは不愉快そうに額にシワを寄せたレノが出てきた。与えられたダメージは、見るにおそらく微量。 アクトゥス最後のあがきも、不発に終わった。
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