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果たして。アクトゥスの命は延命されたようである。
「【ダークハンド】」
呪文が耳に届き、目を開けると、眼前の景色が変わっていた。目の前には地面から生え出た黒い手に掴まれた、水色の髪の少女。彼女も口をポカンと開けていた。
「ッ!」
そして、レノは現状を理解したかのように、憎々しげに口を歪めた。
自分は、攻撃されている。
誰に?
第三者。誰?
「きゃっ!」
考えに耽っていると、黒い手にかかる握力が強くなっていった。このまま押し潰すつもりらしい。属性は、闇。しかし、レノにとって、この魔法は一蹴できるものだった。
冷気を全身から放ち、ダークハンドを無力化させる。再び地に足をつけると、発言先を見つめた。――なにも見えない。
「どういうこと……」
小首を傾げながら振り返ると、表情が固まった。先ほどまで追い詰めていたはずの女の姿が見当たらない。
「……にがさないんだから」
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