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「相変わらずおんもしろい体だねぇ~」
ベロンベロンに酔いながら、彼女は笑った。
短い赤髪。
今はとろんとしているが、本来ならばくっきりと開いた黒い瞳。
服装はただシャツを着ただけという相手に対し無礼千万なもの。
シャツからちらりと伺える放漫なバストは、見るものを魅了する。
リオンは別に興味なさ気であったが。
頭をかきながら、言う。
「いつもやめてって言ってるじゃん。いくら痛くないとはいえ、気味が悪いんだよ」
遅ればせながら説明すると、リオンは全てが黒い少年であった。
短い黒髪、怠そうに開いた黒目、その身に纏う漆黒のマント。
肌だけが異色で、彼はその二色だけで存在していた。
リオンは文句をいいながら、椅子の背もたれに全体重の預け、だら~としている女性に近づいた。
女性は言う。
「めんごめんご~。だってホントに珍しいんだもん。ゼロの魔術師~」
リオンはぴくりと眉を動かした。
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