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「なんだ、エーシェ。俺を怒らせたいのかよ。嫌なこと散々言いやがって。やりやがって」
リオンにはコンプレックスというか、やられて嫌なことがある。
それは、体についてなにか言われること、なにかされることだ。
ゼロの魔術師。
または始まりの魔術師。
この世界の始祖とされる者の通称だ。
神の力を持ったといわれる五人の魔術師はそれぞれがそれぞれ、存在の何かを司り、生み出した。
だがそれは千年程も前の話。
世間では伝説として語られているものだ。
伝説としては、ゼロの魔術師は魔法そのもの。
体からは司りし全ての魔法を放ち、また吸収したのだという。
何故だ。
それが何故、千年の時を越えて自分に宿ったのか。
リオンは不思議でならない。
そのせいで今までひどい時間を過ごしてきたのだが、もはや過去の話。
語る気はさらさらなし。
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