第一話

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  「なんだ、エーシェ。俺を怒らせたいのかよ。嫌なこと散々言いやがって。やりやがって」 リオンにはコンプレックスというか、やられて嫌なことがある。 それは、体についてなにか言われること、なにかされることだ。 ゼロの魔術師。 または始まりの魔術師。 この世界の始祖とされる者の通称だ。 神の力を持ったといわれる五人の魔術師はそれぞれがそれぞれ、存在の何かを司り、生み出した。 だがそれは千年程も前の話。 世間では伝説として語られているものだ。 伝説としては、ゼロの魔術師は魔法そのもの。 体からは司りし全ての魔法を放ち、また吸収したのだという。 何故だ。 それが何故、千年の時を越えて自分に宿ったのか。 リオンは不思議でならない。 そのせいで今までひどい時間を過ごしてきたのだが、もはや過去の話。 語る気はさらさらなし。
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