僕の歴史―始まり―

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 毎日必ずやっている日課は? と聞かれたら部屋の片付けはしていると思う。  この日も溢れる雑誌や読み終わった不要な本を処分しようと棚を整理していたら、足元にひらひらと一枚の写真が舞い降りた。  それはアルバムに収まりきらず撮ったままの写真だと思い、拾い上げればその写真は僕の学園生活の思い出のものであった。  そこには映司が楽しそうな笑顔で僕の肩に並べて写っている。  思わず、くすくすと笑いが込み上げてしまう。  (そうか……これは学園祭で撮ったやつだったな)  懐かしいと感じればあらかた片付け終わったのもあり中断する。  “memories”と皮張りの表紙に朱色で刺繍されたアルバムの1ページを開いてみた――。
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