revolution

スクラップブック

　【歌舞伎のスクラップ】

　小さいころから歌舞伎の舞台に出ていたみたいだけれど、このスクラップブックには中学のころからのものしか入ってなかったんだっけ。
　ってことは、ご家族が作ったものじゃないだろうし、誰が作ったんだろう？
　それにしても、綺麗に整理されているよなぁ……。

　「君、そのスクラップブック……。どこで見つけてきたんだい」

　「掃除してたら出てきたの。せっかくだから、話を聞かせてもらおうと思って。
　ここに貼ってあるのって全部、雪永さんの写真だよね？」

　「……ああ、そうだよ」

　「ずいぶん、たくさんあるねー。
　……でも、ほとんど同じ時期に撮ったヤツみたい。
　これって、いつ頃の写真？」

　「１２、３のときから１６くらいまで……だと思うけど」

　「ふーん。なんでまた、その時期にまとめて写真撮ったの？　わかった。
　このスクラップブック、当時の熱狂的なファンが作ってくれたんでしょ」

　「……さぁ。どうだったかな」

　「ゼッタイそうだよ。だってこれ、すごく丁寧に作ってあるもん。写真だって綺麗だし、それに……なに？」

　僕の不機嫌な表情に言葉が詰まった様子。

　「僕のプライベートに首を突っ込むの、やめてもらえないかな。そういうの、好きじゃないんだ。
　スクラップブックも、ほら。返しなさい」

　「う……うん。ゴメン」