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『鏡獅子』胡蝶の精/12歳
正式には『春興鏡獅子』<シュンコウカガミジシ>と呼ばれる、江戸時代を舞台にした物語だね。
技芸を披露する弥生という娘が、舞に没頭し手に取った手獅子に連れ去られてしまうという物語だ。
弥生が連れ去られたあと、僕が演じた胡蝶の精が現れて牡丹の花と戯れるように、優雅に舞い踊るんだ。
僕は12歳のときに、この役を演じたけれど、これで劇場の特別賞をいただいたことを覚えているな。
このあとは襲名に向けて稽古を続けていったわけだけれど、少し思うところがあってね。歌舞伎の世界からは離れてしまったんだ。
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