僕の歴史―始まり―

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 【5歳】初舞台を踏む。  生まれたときから歌舞伎の名門・西園寺屋の長男として育てられてきた雪永は、5歳のときに名作『源氏物語』の春宮役で初舞台を踏みました。  このとき彼は四代目西園寺右京を名乗り、光源氏役で父・雅弥と同じ舞台を踏むことにもなりました。  このころから独特な華やかな雰囲気を持っていましたが、これは3歳から習い初めた日本舞踊によるものといえるでしょう。  名門の長男として、雪永は小さいころから厳しく育てられてきました。  【12歳】兄弟仲に亀裂が……。  10歳のときに演じた『めい羅先代萩』の鶴喜代役で興行元の会長賞を受賞し、続く『鏡獅子』の胡蝶の精で特別賞を受賞した雪永は、ますます歌舞伎俳優としての未来を嘱望されるようになります。  しかし、このあとから弟・嘉月との確執もあり、歌舞伎役者の道をこのまま進むべきか悩み始めます。  このことがその後の雪永と嘉月との関係にも関係することに……。  嘉月は幼いころから兄・雪永に対してわだかまりを持っていました。  
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