ヨシモトの謎

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ヨシモトの謎

ヨシモトの秘密を確かめる為、 北条は自室にヨシモトを 呼び出す。   「基成様、どうしましたの?」   「いや……、ちょっと ヨシモトの事を 知りたくてな……」   「私の事を……? もしかして基成様。 それって……」   「……いいか?ヨシモト」   ヨシモトの両肩に手を置く北条。   顔を背け、頷くヨシモト。   「あの……。お手柔らかに……」   頷き、ヨシモトを寝かせ 左側の長足袋を脱がす北条。   (基成様……。そんな…… いきなり下から責めるなんて 積極的過ぎますわ……)   しかし、北条はそれ以上の行為に 及ばず、ヨシモトの素脚を 念入りに調べていた。   「……あのぉ、基成様?」   焦れったいのか、 呼び掛けるヨシモト。   「やっぱり本物か……」   「はい……?」   「いやな。ヨシモト。 出陣や外出の際、 輿に乗ってるからさ。 実は短足なんじゃないかって 皆、言うからさ……」   「……その為だけに、私を?」   「……ああ」   「……基成様のうつけ者っ!」   ペチィン!   北条の理由に苛立ち、 閉じた扇子で頬を叩く ヨシモト。   「ぐはっ……!」
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