保健室の眠り姫

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保健室の眠り姫

1  俺にとって学校は、酷く退屈な日々を一週間単位で繰り返す場所だ。一週間後のこの日も、きっと今日と同じ時間割で決められた学習をする事に変わりは無いだろう。 彩園高校に入学して一週間、授業が始まると小学校中学校と繰り返してきた退屈がまた繰り返されるだけだった。 「それじゃ、今日はここまでだ」 数学担当の永崎が号令を掛けるが、慣れていないのか若干ぐだぐだになる。委員長が決まってないと、授業の終わり方が妙に締まらないと思うのは俺だけか? 「……帰るか」 自分の考えた事も、どうでもいい事だった。  保健室の眠り姫
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