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華は、待っていました。
真っ暗な、光の絶えた部屋で、主人を。
こんな華である自分に感情があるなんて、誰も思いはしないでしょう。
孤独に慣れた華は、思います。
孤独こそ、唯一の味方になるだろう、と。
自分は一人でも生きていける、例え屋敷に住むもの全てが消えたとしても。
だけど、ご主人様。
貴女がいなければ、自分はどうなってしまうだろう、と考えます。
その時、華は、足音を感じました。
待ち詫びた、主人の帰りでした。
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