“伝説”の娘

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  「……この商店街全体の食糧の、チェックリストみたいなものはあるか?」 「チェックリスト?」  玲奈は頭にハテナを浮かべた。 「ああ、そういうものなら毎週末みんなで集会をしてまとめてるわね。それがどうかしたのかい?」 「……それの、事件があった一週間分だけでいい。見せてくれないか?」 「ええ、まあ減るもんじゃないし、別に構わないけど。それで役に立つのかい?」 「ああ、問題ない」  一夜はそう答えた。  玲奈は未だ、彼がどう考えているのか理解できなかった。それは依頼人も同じだった。 「じゃあちょっとまっとくれ」  そういって依頼人は自分の店の奥へと入っていった。  玲奈は一夜に疑問をぶつけた。 「チェックリスト見ただけで、何かわかるんですか?」 「……ああ。それと、さっきお前が聞いたこと。あれも重要な手掛かりとなる」 「え、あ、はい!」  玲奈は元気よく返事をした。  玲奈は内心嬉しかった。  自分がちゃんと役に立っていると感じれたから。  
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