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――――その日の夜。
スウ…………
小さな人影が、真っ暗な影から顔を覗かせた。
その人影は、調度10歳くらいの少女のようだ。
周りに人の気配は無し。
そう悟ったその人影は、足音を立てる事なく食糧倉庫の前に駆けて行く。
倉庫の扉の前に着いた人影。
扉の前は月明かりで照らされており、それは人影――改め、長い金髪の少女を映し出す。
扉には見慣れた軟禁錠がついていて、それが鍵となっていた。
少女は周りを伺い、再び気配がないことを確認すると、軟禁錠に手を掛けた。
シュッ
少女が指……もとい、鋭い爪を振ると、軟禁錠は音もたてずに斬れた。
これで扉は開く。
少女は扉を開けようと、取っ手に手を延ばす。
「“陰抜(かげぬい)の術”ッ!!」
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