“伝説”の娘

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  「!?」  バシンッ  凛とした声が響いた。  同時に、少女の身体が動かなくなった。 「……やりました!」  シュタッ  倉庫の向かいの建物から、玲奈が飛び降りてきた。左手で印をくんでいた。  先程の声は玲奈であり、少女を動けなくしたのも彼女の“忍術”によるものだ。  玲奈だって忍者の端くれ。自らの気配を消したりある程度の忍術を使えたり出来るのだ。  ゆっくりと少女に近づく玲奈。  しかし、 「イヤッ!!」  バチッ 「きゃっ!!」  少女が叫ぶと弾けるような音がし、玲奈の術が解けてしまう。 (……今のは魔力!?)  そう直感した玲奈。 「! いけない!!」  術から逃れた少女は、その場から走り去ろうとする。  このままでは逃げられる。  そう思った矢先、  ガシッ 「ひゃっ!?」 「あっ!!」 「よーし、よくやった。百点満点だ」  一夜が突然現れ、少女を捕まえた。  
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