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「……そうだったんだ……。ごめんなさい」
「ヒック……違うの……ヒク……お姉ちゃん……たちは……悪く……ヒ……ないよ……悪いのは……ク……ぜんぶ……ユイ……な……の……」
玲奈が謝るが、ユイは首を横に振りながらいった。
「そうだ。お前のしたことは泥棒だ。それは悪い行いであり、そのこと自体は許されない」
しかし一夜はユイを戒める。
「でも……!」
玲奈が弁解しようとしたが、その必要はなかった。
「だが、それが悪いことだと反省できるなら、これからはもう二度とこんな事はしないと誓えるなら、俺はお前を許す」
「……一夜さん……」
「ヒク……反省……する……もうしません……誓います」
一夜の言葉を聞き、ユイは答えながら泣き止んでいった。
「おーし、よくいった。偉いぞー」
一夜は棒読みでそういいながら、ユイの頭を撫でた。
「ふみゅう……」
ユイは先程の泣き顔など忘れ、気持ちよさそうな顔をした。
玲奈はその光景がなんだかおかしく見えた。
だが、同時に気づいた。
一夜がなんだか嬉しそうな瞳をしていたことに……。
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