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「……調子こいたこと言ってんじゃねえぞクズ共が……!」
「!?」
周りは一斉に驚愕した。
一夜の、ドスの効いた声が響いた。
「な、なんだい!? あんたまさか、そんなこそ泥の味方にでもなるってんじゃないだろうね!?」
依頼人の女性が一夜に文句を言う。
「……じゃあ聞くが、お前らの持つ食糧とやらは何のためにある?」
「そ、そりゃあ……」
「いいか? 世界中には食糧どころか食い物すらない場所なんて五万とある。そこに住んでいる奴らはいつも飢えてばかりだ。それに控え、お前らのような栄えた地域の奴らは食糧なんて余るほどだ。分けようと思えば分けることも出来る。
それだというのに未だ飢えた奴が存在する……。答えは簡単。てめえらみたいな“ケチ”な連中が分け与えようとしないからだ」
「な、何だって!?」
「現にこいつ……ユイは食い物がない状態だった。なのにお前たちは分け与えようとしなかった……。
こいつがたかりに来た? 違うな。てめえらがただケチなだけだ」
一夜は、決して人には言えないような言葉を躊躇いもなく言っていった。
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