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一夜の台詞がカンに障ったのか、全員が同意した上で依頼人が怒りながら叫んだ。
「ああいいさ! その小娘は好きにするがいいさ! あたしたちもあんたみたいな頭のいかれた奴に金なんかやりたくないよ!」
「そーだそーだ!」
商店街の人々は金を選んだ。
そう言われるのを確認すると、一夜はユイを連れて立ち去ろうとする。
「……いいんですか?」
玲奈が咄嗟に聞いた。
すると一夜は立ち止まり、商店街の人々に振り返って言った。
「言い忘れてたが……、お前ら、残り20%の余った食糧はどうにかしろ。泥棒にやるなり虫の餌にするなり……それともわざと腐らせて泥棒にやるか? まあ何にせよ、ちゃんと有効に使ってやれよ。……て、俺の言うことなんて聞く耳も持たねえか……」
一夜はそういいながら再び歩きだし、闇へと消えていった。
玲奈とユイも追いかけるように去っていった。
「……………………」
暫くの沈黙が続いた。
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