アカネのある一日

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   だからアタシは、さっきも言ったように、そんな弱い自分を戒めてこんなことをしている。  打ち付けられる度に走る激痛。  勿論何度も止めたいと思った。  だけど今は、“負けたくない”という気持ちが強かった。 「ウッ……クウ……!!」  打ち付けられて暫く、アタシは遂に耐え切れずにうずくまった。 「……アカネ、もうやめよう。これ以上は逆に身体に悪い」 「……はい……」  うずくまるアタシにカンナさんが声をかけたので、アタシはそれに従った。  いまさら思ったけど、カンナさんにこんなことを頼んだのは間違いだったと思う。  カンナさんはアタシたちを大切な仲間だと思っている。  そんなカンナさんに仲間を傷つけるような真似は酷だ。  もし今度頼むときはヨミさんに……いや、あの人はああ見えてかなりのドSだからな……妥協してユキに頼もう。  
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