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「必要無い人間なんていないだろ」
「いないだろぉ」
棒読みでそう言うアフロに、ギャル姉さんも棒読みで続く。
「棒読みで言うセリフじゃないだろ」
「いやぁ、こういう励ましとか苦手だしな」
「私たちぃこの世にいらないぃ人間だしぃ」
「一緒に卑屈になってんじゃねぇ!」
三対一、どいつもこいつも辛気くさい。
現実くさい。
「この世の中に要るか要らないかなんてな、生きてる間に決めることじゃねぇんだよ。死んだら勝手に誰かが決めちまうんだ。だから、そんな事は考えなくてもいいんだよ!」
ワンピースが俺を睨みつけてきた。
「そ、そんなのは強い、ひ、人だから言えるんです」
は、強い人だって?
何処の誰の事を言ってんだ。
俺は強くも何ともない。
「強弱なんて関係ない。俺達はゲームの世界に生きてるわけじゃない、レベルなんてありゃしない。笑いたい時に笑って、泣きたい時に泣いて、怒りたい時に怒って、はしゃぎたい時にはしゃぐ。自由にやればいいんだよ、概念もルールも制約も束縛も、クソッタレだ」
俺は世界を変えられない。
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