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「ロックンロール節、炸裂だねぇ」
「シラフなのにぃ、いつもより熱いねぇ」
アフロとギャル姉さんは、ねー、と声を合わせた。
これで三回目。
お気に入りですか、そうですか。
「ろ、ロックンロール?」
「そ。ロックンロール。彼はロックンロールを熱く語る男なのだ。だから、ロッくん」
「でもぉ、ビートルズもジョン・レノンもボブ・ディランも語れないんだよぉ。ましてやぁ、エアロスミスとかクイーンとかも語れないしぃ」
ミラーを見なくても前の二人が笑ってるのはわかるし、隣の少女が不可思議な顔でこちらを見てるのはなんとなくわかった。
「うるせぇ、知識を語るのがロックンロールじゃねぇ、ロックンロールは魂を語るんだ!」
「イェェ、ロックンロール」
「イェェ、ロックンロールぅ」
「い、イェェ、ろ、ロックンロール?」
三人に言われて何だか小馬鹿にされている気分になった。
ふてくされたところで、小馬鹿にされるのは決まってるので、俺はこんな事ではめげない。
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