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初めの目的地、ワンピースの落下予定地だった場所にはパトカーが止まっていた。
「おお、予想的中」
アフロはそう言ってアクセルを踏み込んで、その場を通り過ぎた。
「さて、ワンピース。空には行けそうにないんで、もう一度質問だ。何処に行ってほしい?」
ワンピースは車の窓から上を見つめていた。
上、彼女の行きたがってる空を。
「あ、あのそれじゃあ、う、海が見たいです」
「わぉ、ノッキングヘブンズドアぁだねぇ」
「いいね、ノってきた。了解だ、オレ達は海に向かう」
まだ海開きしてもないし、夏前の海って冬の海より寂しいんだぞ。
嵐の前の静けさみたいな空気漂ってんだぞ。
それでも行くのか、お前ら。
止めはしないけどな。
「出発進行ぅ」
「イェェ、ロックンロール」
ノリノリな前の二人組に合わせる様に、車の後方からサイレン。
「げ、もう見つかった」
「ワンピース拾った時に、誰かにカーナンバーとか見られたんじゃないのか?」
「いやいやぁ、違うでしょぉ。カーナンバーより目立つもんあんでしょぉ」
「何だよ、一体?」
「そのアフロ」
ギャル姉さんの言葉に、ワンピースがむせていた。
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