メタルでヘヴィな人生パンク

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   けたたましく鳴り響くサイレン音。  容赦なくアフロはアクセルを踏み込む。  暴走する車とパトカーのサイレンに、巻き込まれたくないのか道路の車はたちまち横に避け道を開けてくれた。  まるで、モーゼの十戒のようだ。 「死にたがる気持ちってのがよくわからない」  三対一の論争に俺は再び挑戦した。  何かを話してないと現実味が薄れる。 「わからないヤツにはわからない、わかるヤツしかわからない」  トンチめいてるのかと思いきや当たり前の事を言うアフロに、俺は疑問の眼差しを送ってみた。  ミラー越しに伝わればいいな。 「わかったようでわからないような曖昧なヤツにはわからない。現にこの世の中が面倒で、生きてるのも面倒だけど、死ぬのも面倒だから生きちまっているオレなんかにはわからない」 「私のはぁ、死にたいってよりぃ、生きてるのを確かめたかっただけだからぁ、やっぱり死にたがるってのはぁわかんないぃ」  長年友達やってるが、こいつらこんなややこしい考え方してたのか。  それで人生楽しめてんのか?
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