そんじょそこらのロックンロール

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「拾った? 誘拐かよ!?」  彼女の答えは、俺達にはいつも通りのやりとりだったので今回は聞き流した。 「拾ったんだ。拐ったんじゃない、人聞きが悪いな」 「私らしかぁ乗ってないけどねぇ~」  彼も彼女も笑ったまま、ね~、と言葉を合わしていた。  俺の横に、後部座席にスヤスヤと眠る少女は寝顔からしてもまだ幼い。  中学生ぐらいだろうか。  アフロが用意したのであろう、毛布がかけられていた。 「何見つめちゃってぇ、もしかしてぇロリコン? ロリータコングラッチェってやつぅ?」 「それを言うならロリータコンプレックスだ。んでもって俺はロリコンじゃない」  幼女、おめでとう!  まぁロリコンを指してる意味には違いは無いが。 「状況がまったく把握できてないので、説明を頼む」 「あ~、いいんだけどその前に車走らすわ」  がちゃ、ぶるるるるるる。  否応なしに車が動き出したので、慌ててシートベルトを絞めた。  助手席の彼女も急発進に、おおぅ、と唸った。  彼の運転は相変わらず下手くそだ。
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