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「んじゃ、とりあえずそっち行くか」
交差点にさしかかったので、彼はハンドルを左に切った。
行くかぁ、と助手席の彼女も続いて言っていた。
先ほどの急発進にも、今の左折の揺れにもまったく動じることなく、俺の隣の少女はスヤスヤと眠ったままだ。
空から降ってきた、ということはやっぱりこの少女も、アレなのかな。
「やっぱ見つめちゃってぇ、ロリコンじゃぁん。ロリータコンプリートぉ!」
「ただの趣味から、狂気的な趣向に変わってしまってんじゃねぇか!」
「今度は否定しないんだな」
「否定しなくても、俺がロリコンじゃないのは先ほど伝えましたが!」
ええい伝われ、俺のノーマル趣味を!
しかし、ノーマル趣味ってなんだよって話だな。
「ああ、もう。あのさ、真面目に話そうぜ。事態は結構ヤバめじゃないのか?」
「ヤバめって?」
アフロな彼がこちらをミラー越しに窺ってくる。
正直アフロが大きすぎて、彼の目は米粒程度にしか見えない。
こちらから窺ってる彼をミラーで見ると、ほぼアフロしか映っていない。
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