消えた日

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「颯太!夏休みだからってダラダラしないで宿題でもしなさい」 「うるせぇクソババア口出すな!」 「親に向かってクソババアはないでしょ!ちょっと来なさい颯太ここに」 「誰が行くか!」 俺は2階の自分の部屋にドスドスと音をたてながら戻った。 「うるせぇんだよ。毎日、勉強しろって。言われなくても分かってんのに」 夏休みに入ってから俺は母親と毎日のようにこんなやり取りをしていた。 俺は中学三年生で来年には高校受験が控えているから、母親にガミガミと言われるのは仕方ないのだけれど。 しかし、毎日のように言われ続けられるとうんざりし始める。いわば反発したくなってしまう。 夏休みは勉強ばかりじゃない。 中学生活最後の夏休みだからおもいっきり遊びたいという気持ちが俺の心の中で強く出ていた。 しかし、周りの皆は来年の高校受験に備えて猛勉強している。難しそうな問題を必死に問いている。 だから俺は家でダラダラして過ごしすしかないのだ。 それなら勉強すれば早い話だが、全くやる気が出てこない。しなきゃいけないのは分かっているけど。
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