第1部~ラピュセル オブ レジェンド~ 第1章 赤星マルス

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第1部~ラピュセル オブ レジェンド~ 第1章 赤星マルス

 人類が宇宙の地球外惑星に移住してはや数世紀…。幾度となく太陽系惑星は戦火にまみれ、もはやその文明さえも失いつつあった。  この赤い惑星マルス(マ-ズ=火星)もその例外では無かった…。  C.C.1125年…(C.C.はコズミックセンチュリー、宇宙世紀が始まってからの年号)、文明的に衰退し、惑星での生命維持及び破壊兵器の技術のみが残された世界の惑星マルス。  その頼みの綱、生命維持装置、重力安定装置及び二酸化炭素分解装置の老朽化により、人々が生きる為に必要な『水』の獲得が困難に陥った各自治体は、各々に『国家』を名乗り、軍事力を背景に『水』が豊富な土地へと侵略の手を伸ばして行った。  そんな中、2つの巨大国家が生まれる。一つはアマゾネス平原に位置し、子午線(起点となるライン)『エアリー0』から東側火星最高峰オリンポス山に至るタルシス高地までを支配する水源資源国家、アフロディーテ公国。  もう一つはオリンポス山麓一帯、極冠圏までを支配する鉱物資源国家ネルガルキングダム。この国は豊富な鉄資源により、強大な軍事力を有する事が出来た軍事国家だ。  この話は、この二大大国による百年戦争フォボダイモス戦争(正確にはフォボス、ダイモス戦争。二ヶ国が掲げる紋章、火星の衛星フォボス、ダイモスに由来する。2つとも戦神の名前。)の末期のお話。
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