第3章 運命の出会い…

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「これは…何?」  2人が『キー』を持ちながらゆったりと立ち上がり、そのもう一つの光のもとへと歩み寄って行く。  頭上から降り注ぐ僅かな太陽光に照らされたその場所には、巨大な人のような物体がうずくまった姿勢のまま床に横たえているのが見えた。その容姿はまるで悪魔のようでもあり、天使のようでもあった。  その中央部分…人で言う胸部の辺りが、『キー』と同じような薄緑色に光りながら僅かに点滅していた。  ジャネットが近寄り、その場でしゃがみ込んで覗いた瞬間であった。先ほどとは打って変わった程の眩い緑黄色の光が、その人型をなぞるように発光された。危険を察知したジャネットがミミを庇いながら後退りすると、その場に人型状にガラス板が溶かされて出来た穴が現れた。  そして、ものすごい蒸気音と共に何かがその場で開いた。  ジャネット達が恐る恐る『人型』に近づいて行くと、その胸部の辺りがパックリと割れていて、そこに椅子のような物が見えた。 「何これ!?」 「姉様…怖い」 「平気よミミ…姉さんが付いてるから」  ジャネットは恐る恐る横たわる『人型』を覗き込みながら、自分の手に持つ『キー』にも目を配る。ジャネットは何かに気が付いてた。 「もしかして…この『キー』…」  ジャネットは興味津々、怖がるミミをそこに留め、その『人型』へと近づいていく。そして、その開いた胸部に顔を覗かせ何やら観察し始めた。 「…どうやら、コクピットのようね…。するとこの『キー』は…」  しかしながら、その『人型』は従来のH・Aとは程遠い異質な物であった。コクピット内部は人が1人座れるぐらいの椅子みたいのがあるが、その周りは機械と言う物では無くどちらかと言うと『生物』に近いような管や筋が見て取れた。外見も王国軍や公国軍のそれとは似ても似つかぬ異様な出で立ちをしている。まるで点滅するコクピット内の緑黄色の光が生物の心臓の鼓動のようにも思えた。 「これ…動くかも…」  しかし、今はこんな状況。一刻も早く地上に這い上がらなければならない。背に腹は代えられない。これが何かに使えるかも知れない。そんな気持ちでジャネットはコクピットへと乗り込んだ。
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