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「お姉様…気を付けて…」
心配するミミがジャネットに声をかける。
「平気よ…」
何故か彼女にはそう思えた。普通なら得体の知れない物だから躊躇する所だが、内心から『カレ』は安全だ…と不思議とそう思えたのだ。ジャネットはそう言うとその椅子に座り込んだ。
目の前には見たことのないような計器類が並ぶ。しかも、それには操縦桿すら付いていない。ジャネットはその股の間にある小さな窪みに、持っていた『キー』を差し込んだ。
すると突然その『人型』が唸るようなほう吼を上げ、激しく光出した。
…ヤハネ…
再びジャネットの心の中に声が響く。あの時の感覚、あの時の快感が彼女の『心』を包み込む。
次の瞬間、『人型』コクピットの壁面から幾筋かの得体の知れない物が飛び出して来て、彼女の両手脚に絡み付いてきた。
「きゃぁぁぁ!」
突如の事に驚き雄叫びを上げるジャネット。その触手はスルスルと彼女の手足を這うと腱と言う腱に突き刺さって行く。
「くう…」
しかし、何故だか痛みすら感じる事は無かった。
…こうして『彼女』と一心同体になった『人型』が、うねりを上げ動き始めた。
巨体が動くと同時に地響きが轟き、永い眠りから覚めた『人型』の細い腕が、まるで生物のようにその巨体を支え、ゆっくりとその場に立ち上がって行った。
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