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数時間。
銀時は土方を後ろに乗せ、スクーターを走らせていた。
すると、トンネルに差し掛かり直ぐに出た。
目の前には夕日が見え、眩しくて土方は目を瞑っていた。
「…土方?」
今まで黙っていた銀時が話し掛けてきた。
「なんだ。」
「ちゃんと横、見てる?」
『横』と言われて、渋々目を開くと、
「うわ…すげぇ…」
そこには夕日に照らされた海が一面に広がっていた。
土方が関心して眺めていると、いつの間にか目的地に着いたのかスクーターが止まった。
海だけ見ていた土方は周りを見渡した。
「浜辺…」
「そうなんですよねぇー。今日、暑いしぃー。夕方ぐらいならちょうどいい気温かと思ってさ。」
微笑みながら土方に説明し、銀時はブーツを脱ぎ始めた。
「裸足になると気持ち良いぞ。土方もやってみろよ。」
そう言って、裸足で砂浜を歩き回る。
「はぁ?なんで、んなことしなきゃなんねぇーんだよ。」
「二人で楽しむためでしょうが!!」
銀時は真面目な顔で土方を見た。
そんな銀時を見て、恥ずかしくなりながらも半面その素直さが羨ましく思えた。
「わかったよ…脱ぎゃいいんだろ!!」
土方は靴を乱雑に脱ぎ、砂浜に素足で踏みしめる。
「…え?」
砂浜の気持ち良い暖かさに思わず声が出てしまった。
「気持ち良いだろ?」
「…………そうだな。」
銀時は笑顔で土方の顔を覗き込んだが、土方は顔を背け釈に触るという感じの顔で答えた。
しかし、土方は…。
(こんな日も…悪くないな。なんなんだ…なんか…幸せってこんな感じなのか?…ってガラじゃねぇな!!)
恥ずかしさのあまり赤面していたのだった。
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