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「―――!?」
千秋が目を開けると、見慣れた天井が見えた。そして、
「千秋さん!」
聞き慣れた人の呼び声、沖田の声を聞いて、冷静になる。
「…えっと…」
千秋は不思議そうな顔になり、沖田を見る。
「覚えてませんか?千秋さん、高熱出して倒れたんですよ」
「…あぁ、そうでした…?」
沖田は千秋を心配そうに覗き込む。
「大丈夫ですか?三日も目が覚めなかったんですよ?」
「…三日…!?」
千秋は驚いたように言い、立ち上がろうとするが、目眩がして立ち上がれなかった。
「…ッ…」
「駄目ですよ!まだ熱があるんですから!」
「…これくらい…大丈夫です…」
それでも起きようとする千秋を押さえ付ける。
「いい加減にしてください!これ以上の心配をかけるつもりですか!?」
千秋はハッとして沖田を見る。
「…そうですね…すいません…」
千秋は大人しく再び寝転ぶ。それを見た沖田はホッとし、襖を開け、
「じゃあ、私は土方さんに報告してきます」
と言って、出て行った。
「…も少し寝よう」
千秋が目をつむり、まどろみかけたが、
―…ドタドタ
という、足音に目を開ける。
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