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「……はぁ…」
千秋はだるい体を起き上がらせる。
―バァン!!
「千秋!目ぇ覚まし……」
―ボフッ
襖を開けた原田の顔面に枕が勢いよくあたる。
「おはようございます、原田先生」
千秋は笑顔で言うが、黒いオーラを醸し出してる。
「人の安眠を無粋に妨げる空気読めずは、一回死んだほうがいいと思いますけど…どうします?」
「…ごめんなさい、もうしません…」
「千秋!目が覚めたのか?」
枕が当たった所が赤くなっている原田の後ろからヒョコッと顔を覗かせる永倉。
「はい、大丈夫です。ご心配かけました」
そんな永倉に苦笑しながら千秋は言う。
「皆さん、廊下で突っ立ってないで入ったらどうです?」
千秋は永倉のさらに後ろにいる藤堂に、
「もちろん、藤堂先生も」
と、ニッコリ笑いかける。すると、藤堂が永倉と原田の前に出て、
「…千秋…ごめん!!!」
と、頭を下げた。
「「…平助…」」
永倉と原田は驚いた。しかし、一番驚いていたのは、千秋だった。
「え?ちょっ…藤堂先生!?」
「俺、千秋の気持ちも知らないで…勝手な事ばかり言って…おみのさんを斬った千秋が一番辛いのに…」
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