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昨日、目が覚めた後、今までの熱が嘘のように引いた。
『熱は下がったけど、まだ絶対安静ですからね!』
千秋に眉を寄せながらそう言った沖田の顔が思い浮かぶ。
―なんか…総司さん、過保護だな…
最初は起き上がる事さえ許してくれなかった。ただでさえ三日寝てて体が鈍っているのに、それ以上寝ていたら堪らない。と、何とか説得をした。
沖田は渋々と承知したが、しばらく、隊務と稽古は出るなという命令を出した。
―…はぁ…暇…
そこで、千秋の部屋の前をバタバタと慌ただしく人が通る。
―そういえば今日、騒がしいな…
不思議に思った千秋は部屋から出る。
「………」
熱が下がったとはいえ、少しだるい。
千秋は、そこらにいた隊士を捕まえ、尋ねる。
「やけに騒がしいんですけど…何かあったんですか?」
「柿村!もう大丈夫なのか!?…それが、芹沢局長が帰って来るらしいんだ!」
隊士は眉を寄せてから言うと、慌ただしく行ってしまった。
「…芹沢…局長…?」
千秋は首を傾げて、ある場所へ向かった。
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