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「遊びましょうよ♪芹沢先生♪♪」
千秋は妖しく笑う。その表情に周りの平隊士が固まる。
芹沢は刀を抜く。
「わしに盾突いた事、後悔するがいい!」
―ヒュッ!
「そっちじゃないですよぅ♪」
―ヒュッ!
「鬼さん♪こーちら♪っと」
―ヒュッ!
「当たってませんよぅ?」
―ヒュッ!
「フフ…そろそろ疲れてきたんじゃありません?」
千秋は芹沢の振り回す刀を、軽々と避ける。
「…なめるなぁ!」
芹沢は大きく振り上げる。
「水、持ってきました!!」
ちょうど水がきた。
「あの人に思っきりぶちまけてください!」
「…はい!」
女は水を芹沢に思っきりぶちまけた。
―バシャア!
芹沢の動きが止まる。その隙を見逃さず、千秋は一瞬で後ろに回る。
―ドガッ!
そこらにあった壺を芹沢の頭に振り下ろした。
―ドサッ
「ふぅ、お使い終了。隊士の皆さん、この人を屯所まで運んでくださいね」
千秋は得意の黒い笑みで言う。
「わ、分かった…柿村はどうする?」
「僕はちょっと皆さんより遅れます。土方にそう伝えてください」
―副長を呼び捨てかよ…さっきのといい…何者なんだよ…こいつ…
隊士達はそう思いながらも、逆らうと怖いので、大人しく従った。
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