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「…高杉さんに何の用だったんですか?」
千秋は努めて冷静に尋ねる。
「…それは言えない。ついでに、何処に行ったのかも分からない。…秋夜とはどういう関係だ?」
「…貴方は知らなくていい事だ…」
千秋は拳を握る。
「…お前…」
―ガラッ
「高杉ぃ僕の千秋に何やってんの?」
稔麿がシリアスな空気を気にせずに入って来た。
「稔麿…お前、こいつが何者か知ってんのか?」
「知ってるよ。壬生狼でしょ?」
事もなさ気に言う。
「はぁ!?なら何で「大丈夫だよ」…」
稔麿は高杉の言葉を遮った。
「千秋を僕らの仲間にしちゃえばいいじゃん?」
いきなりの爆弾発言。
「ちょっと待って下さい!!私は前に断ったじゃないですか!ってか、何さりげなく『僕の』とか言ってるんですか!?私は誰のでもありません!!!」
千秋は一気にまくし立てる。しかし、当の本人は、
「高杉いいよね?」
「べつに俺は構わねぇよ。強さは折り紙付きだからな」
「って、話聞けぇ!!!!…もう帰ります!!」
そう言って、立ち上がった千秋の腕を稔麿は掴む。
「…何のつもりですか…?」
千秋は稔麿を睨む。
「何処行くの?…帰らせないよ」
稔麿は妖しく笑った。
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