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千秋は芹沢の前に静かに座った。
「まったく…貴方のしている事はこの壬生浪士組の評判を落とす、足枷なんですよ?いい加減に自覚してください」
「う…うむ…」
酒を飲んでいない芹沢は、千秋の説教に言い返せないでいた。
「そんなんだといずれ、この壬生浪士組にのけ者にされますよ?」
千秋の言葉に芹沢は反応した。
「…わしのやっている事は、全て壬生浪士組の為だ。…それで死ぬなら…本望だ」
「…芹沢先生…?」
千秋はその言葉の意味が分からず、首を傾げる。
「…なんでもない、忘れてくれ…。それより、腕は大丈夫か?」
一瞬、何の事かとキョトンしていたが、直ぐに思い出す。
「あぁ、左腕の事ですか?これなら大丈夫です」
「…本当にすまない…」
気が付くと芹沢が頭を下げていた。
「そこまでやらなくても…貴方の責任じゃないし…」
「わしが斬ったんだ!わしの責任に決まってるだろう!」
頭を上げずにそう言う芹沢。そんな芹沢に、
「…もう顔を上げてくださいよ…」
ため息を混ぜて言った。
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