3777人が本棚に入れています
本棚に追加
芹沢はいきなり思い出した様に手を叩く。
「柿村、わしは来月に大阪に行く。お前も行くか?」
千秋は首を傾げる。
「大阪…ですか?」
芹沢は大きく頷く。
「そうじゃ。最近、壬生浪士組の名を語った強請が多いらしい」
「それは長人の…?」
「おそらくな…」
千秋は顎に手を当てて考える仕草をした。
「分かりました。僕も行きましょう。他に行く人は?」
「新見や平間、野口等だ」
「…物足りないですね。沖田先生と斎藤先生も連れてったほうが、安心だと思います」
「ふむ、分かった。沖田と斎藤も連れて行こう」
「近藤先生には?」
芹沢は首を振る。
「まだ言ってない」
「じゃあ、僕から言っておきます」
―芹沢先生が言ったら土方が反対しそうだし…
「よろしく頼む」
「今から言ってきますね」
千秋は立ち上がり、部屋から出て行った。
---まだ誰も知らない
これから起こる事によって
時の歯車が狂い始めるのを…
最初のコメントを投稿しよう!