3777人が本棚に入れています
本棚に追加
それを見た千秋が我に帰る。
「…そ…うじ…さん…?」
「そうです!総司です!」
沖田は腕の力を強めた。
「ごめん…な…さい…」
千秋は再び気を失った。
「…ん…」
千秋は目が覚めた。
「気が付きましたか?千秋さん」
優しい声が聞こえた方を向くと、頬を手当てした沖田が心配そうにこっちを見ていた。
「総司さん…」
「大丈夫ですか?怖い夢でも見ましたか?」
沖田は安心するような明るい笑顔で言う。
しかし、千秋はそれに答えず、手を沖田の頬に伸ばした。
「ごめんなさい…」
「千秋さん…」
凄く辛そうな顔で謝る。そんな彼女を見て、思わず抱きしめていた。
「…辛いなら泣いてください…甘えてください…」
「………私はもう泣けません。涙が…出ないんです…」
千秋は抱きしめられたまま、渇いた瞳で天井を見つめながら言う。
二人は芹沢達が来るまでそうしていた…
最初のコメントを投稿しよう!