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「お待たせしました」
千秋は着替えた後、そう言って沖田や芹沢達がいるであろう、宿の広間に入った。
「千秋さん…」
沖田と目が合った瞬間に逸らされた。
―え?逸らされた…そんなに見苦しかったかな…?
実際は照れて逸らしたのだが、この鈍感娘には分からなかったらしい。
「そういえば…芹沢局長達は昨日何もしませんでしたか?」
少しむっときたが、直ぐに切り替える。
―ガヤガヤ…
表が騒がしい。
「…なんでしょうか?」
「…俺が見てくる…」
「…私も行きます」
表を見に行こうとした斎藤は、千秋の言葉に黙って頷く。
表には力士がたくさんいた。
軽く三十以上はいる。
「芹沢を出せ!仲間の敵だ!」
一人の力士がそんな事を叫んでいる。
「また芹沢局長は厄介な事を…」
ため息をつく斎藤。
「…後で血祭りにしましょうか…?」
軽くキレている千秋。
「…後でな…今はこの事を報告してこよう…」
「…はい…」
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