動き出す影

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「芹沢ぁ!!仲間の仇だぁ!!」 「ほぉ…命知らずな奴め…このわしに挑むとはなぁ!」 千秋達が駆け付けた頃には既に芹沢が刀を抜いてしまっていた。 「千秋さんはここにいてください!」 沖田は刀を抜くとその戦乱に入る。 「沖田先生!僕も…」 千秋も行こうとしたが、斎藤に止められてしまった。 「駄目だ。柿村の戦い方では足手まといになる」 「そんなの…!」 ―確かに私は私情での殺しはしたくない… じゃあこのまま指をくわえて見てろと…!? それだけは嫌だ… 千秋はしばらく思案していたが、やがて一つの案が思い付く。 ―これなら動きを止めるくらい… 「…斎藤先生…僕…良い事思いついちゃいました」 ニッコリと笑う千秋だった。 「女将さん!水を桶いっぱい!」 オロオロと外を見ていた女将に言葉を投げかける。 女将は頷くと走って水を持ってきた。 「ありがとうございます」 千秋はそれを持って、急いで階段を駆け上がる。 窓を開け、目下で争っている力士と壬生浪士組の隊士達を見下す。 そして…持っている桶いっぱいの水を目下の人混みにぶっかけた。 ―バシャア!
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