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そろそろ騒動も落ち着いてきた頃、千秋の目に一人の人間が入った。
―…さっきからこっちを見てる…
その人間は網笠を被っていて、顔がよく分からない。
しかし…
―なんか…変…
千秋がチラッと沖田や斎藤を見るが二人は気付いていない様子だ。
そして、網笠に目を戻した時…
―あ…
人混みに紛れて見失いそうになる。
―…一応追いかけてみよう
千秋はその人間がいたほうへ走り出した。
「千秋さん!?」
沖田が千秋の様子に気付き叫んだが、気にせずに走った。
「…ここらへんだった気がするんだけどな…」
変な人間を追って来たところは小さい寂れた神社だった。
千秋が辺りをキョロキョロと見回す。
すると…
「久しぶり…気付いてくれたんだ?」
「!!」
―この声は…!
千秋の顔が青ざめていく。
「…どこにいる…出てこい!兄上!」
「感動の再会なのにそんな顔しないでよ」
―ガサリ
草村が揺れ、網笠の人間―自分の兄である秋夜が出て来た。
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