動き出す影

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「いきなり叫ばないでよ」 秋夜は耳に手を当て煩いアピールをする。 「…だって…」 「それより千秋…」 「無視しないでください!」 無視された沖田は秋夜に近付こうとする。 「!沖田先生!近付いちゃ駄目です!」 急いで千秋が沖田を引っ張り戻した。 「!?」 さっきまで沖田がいた場所には苦無が三本、刺さる。 秋夜を見ると、苦無をくるくる回していた。 ―いつの間に…! 「俺に近付かないでよ」 「…貴方…何者ですか?」 沖田は刀を抜いて構えた。 「おっと…今日はやるために来たんじゃないから…妹が無事かどうかを見に来ただけ」 刀を抜いた沖田を見ても、慌てる事もなく淡々と言う。 「……」 千秋はそんな秋夜の真意を探っているようだ。 訝しむように見ている。 「じゃあ、そろそろ行かないとなんだよね ・・・・・・ また会おうね、千秋」 秋夜は二人に手を振って行ってしまった…。 安堵のため息をつきながら刀をしまう二人。 ―『また会おうね』か… 千秋は嫌な予感が拭いきれなかった。
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