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「逃げる範囲は京の街全体、日没までに逃げ切ったら柿村が優勝だからな
柿村、準備は?」
―今は動きやすい格好だし…刀もある…
千秋は頷いた。
「じゃあ…」
そこで沖田が思い出したように口を挟む。
「土方さん今年は参加するんですか?」
「…不本意ながらな…」
―ふーん
千秋は興味がないような顔をする。
「…さて…俺達は隊士達に説明してくるから…君はもう逃げても良いよ」
近藤はそう言った後に部屋から出て行った。
―じゃあ…さっそく逃げようかな…
千秋が立ち上がると、土方が寄って来た。
「なんですか?」
「迷惑そうな顔すんな
今回はお前に助っ人を用意したからな」
「助っ人?」
千秋はふーんと頷く。
「んじゃ…そろそろ行きますね」
そう言うと、気配を消し土方以外に気付かれずに部屋から出て行った。
「…あいつ凄ぇな」
「千秋さんは行きましたか?」
土方の隣には沖田が立っていた。
「あぁ」
「ふふ…面白くなりそうですね」
「そうだな」
二人はニヒルに微笑んだ…。
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