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―休む暇もない!
走りながら心の中で悪態をつく。
「さすがにやばいなぁ」
そう言う山崎は表情が笑顔だ。
「笑い事じゃないんですけど…」
二人は京の外れの山に来ていた。
斎藤を振り切った後も平隊士達に追われ、必然的にこんな遠くまで来てしまった。
「…ここらで休むか」
「そうですね」
周りは木に囲まれている、少し開けた場所で止まる。
「…そういえば」
そこで千秋は思い出したかのように口を開く。
「この変な大会(?)は毎年やってるんですよね?
前はどんなのでしたか?」
山崎はチラッと千秋を見る。
「大食いとか勝ち抜きとか…そんなのばっかやったな」
「…そっちのほうが楽でいいです…」
―どうして今回に限ってこんな鬼ごっこもどきを…
千秋はため息を吐く。
「大食いでは原田さんが、勝ち抜きでは沖田さんが優勝やった」
「土方は?」
首を傾げ、尋ねた。
「トッシーは不参加や
色々と立て込んでいたから」
ふーんっと素っ気ない返事を返す。
日がそろそろ西に傾いてきた。
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