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「…上等だぁ…お前が負けたらその呼び名、改めてさせてやるからな!!!」
「できるもんならやってみぃ」
本気でキレた土方に、からかうように言う山崎。
そして、二人は同時に走り出した。
―その頃…
千秋と沖田は山崎達から少し離れた場所にいた。
「千秋さんと手合わせするのは久々ですね」
「総司さん全然稽古に来ませんからね」
「そういう千秋さんもまったく稽古に参加してませんよね?」
「ばれてました?」
千秋はまったく悪気がなさそうに言う。
「まったく…私の隊は不真面目な方ばかり…」
「貴方だけには言われたくないです」
キッパリ言われて少し傷付いた沖田だが、すぐに気を取り直す。
「さて…時間稼ぎはここまでです」
―ばれたか…
「…総司さんとは戦いたくなかったんですがね…」
深いため息が漏れる。
「なら大人しく捕まってください」
「無理な相談です」
「…仕方がないですね…」
沖田が刀を抜く。
それを見て、千秋も刀を抜いた。
「いきますよ?」
「望むところです…総司さん」
刀を構えた二人に静寂が訪れる。
枯れ葉が落ち、地についた。
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