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それは一瞬の事だった。
枯れ葉が地についた瞬間に、二人に影が凄い速さで近付く。
「「!?」」
沖田は反応したが、それよりも早く、影が沖田を突き飛ばした。
「なっ…!?」
そして、千秋の手を掴み、走り出す。
「山崎さん!?」
「そろそろ時間になるし…はよ逃げよ」
「はぁ…」
千秋は手を引かれ、困惑しながらも走る。
…後ろから、
「山崎待てコノヤロー!!!」
「何やってんですか土方さん!!この役立たず!!」
…という声が聞こえたが…
気のせいにしておこう…。
「…山崎さん…この方向は屯所じゃないですか?」
しばらく走っていて、千秋は疑問を口にした。
「今、屯所の近くにいるなんて…頭の悪い隊士達には分からないやろ?」
「そうですかね?」
「まぁ俺に任せとき!」
そして、屯所の近くにある高い木の上で止まる。
この木は屯所の横にあり、そこから飛び降りれば屯所内に着地できる、監察方にとってそれはそれは有り難い木(?)だ。
「で…これからどうするんですか?
ずっとここにいるんですか?」
「それはな…こうするんや」
山崎はニヤリと笑うと、そこから飛び降りた。
…手を繋いだまま。
―…えっ;
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